年明けからの俺は、毎日必タヒだった。施設実習が始まったから。 
医療系専門学校の介護福祉科。ボランティアでの単位取得と実習の連続で。 
一月中頃から二週間のボランティア。そしてその直後、二月の初旬に後期の定期試験。 
解らない事だらけの現場。頭に入らない試験勉強。かなりきつい状態で。 
受け入れ先は精神科の専門病院で。隔離棟入ると、身の危険感じるような状況もあって。 
人間相手の事だから、腹立ったり、いらつく事もあって。切れかかったりって事もあって。 
でも彼女の前で辛さや怒りを見せる訳にはいかなくて。家帰るまでに、何とか顔を元に戻して。 
家帰って彼女が来てくれて。「お帰りなさい。」その一言でやっと、和んで。緩んで。 
実習記録の整理してると、少し距離おいて、お互いの視界に入る所に座ってて。 
壁もたれて、小説とか読んでて。ふと顔上げると、目があったりで。多分、様子伺ってて。 
記録の整理して。試験勉強して。一段落。ノート閉じたら、近寄ってきて。横座って。 
話したり。話さなかったり。ぼー…っとテレビ見てたり。特に何するでなく時間が過ぎて。 
そんな何でもない時間が俺には大事な時間で。その時間を彼女が作ってくれてて。 
おかげで実習何とか乗り切って、試験の結果も出て。何とか踏みとどまる。そんな感じで。 
進級が確定した時は、虚脱して。「大丈夫ですか?」「大丈夫ですよね?」何度も聞かれて。 
「大丈夫。」何度も答えて。結局心配掛けてるなと、微妙にへこんだ。 
けどとりあえずの不安が去って、補修も無いし出席も足りてるしで気楽に学校も行けて。 
ちょっと抜けた感じの生活。俺は朝一の講義を取る必要が無くて、夜更かししてた。